TESE・MD-TESE(精巣精子採取法)

非閉塞性無精子症の治療法「TESE」「MD-TESE」

一昔前まで、精巣の造精機能に障害がある「非閉塞性無精子症」は治療法が無く、ほとんどのご夫婦が子供を授かる事を諦めざるをえませんでした。しかし、医療技術の進歩に伴い、こういった無精子症のご夫婦でも子供を授かるための道が開かれるようになりました。それが、精巣を直接調べ精子の有無を検査する「TESE」(精巣精子採取法)と呼ばれる治療法です。

TESEは、陰嚢を0.5cm〜1.0cmほど切開し、精巣内部の「精細管」と呼ばれる組織を採取、そこから精子の有無を調べる方法です。しかし、このTESEの場合だとランダムに精細管を採取するため精子が見つかる確率は低く、また術後の後遺症(血腫形成、精巣萎縮、血中テストステロン値の低下など)を伴いやすいことから、現在では多くの病院が顕微鏡を用いて精巣内を観察し、状態の良い精細管を選んで採取する「MD-TESE」(顕微鏡下精巣精子採取法)という方法を採用しています。(近年はMD-TESEを一般的にTESEと呼ぶ場合が多いです。)この方法だと、精子を採取出来る確率が向上し、必要以上に精細管を刺激する事も減るため、合併症のリスクも軽減します。
こうして採取された精子は凍結保存され(=精子・精巣組織凍結法)、もしくは排卵が同時に行われている場合はそのまま、顕微授精に用いられます。しかし精子自体が見つからなかったり、質の悪い精子しか確認できない場合には、受精能力で勝る<精子になる一歩手前の状態>の「後期精子細胞」を探し顕微授精を行います。

TESEにおける身体的負担

手術が20分程度の短時間で終わる場合は、局部麻酔が用いられ術後は当日帰宅も可能です。しかし、長時間に及ぶ場合には全身麻酔が用いられるため1〜2泊程度入院となることもあります。術後は切開した患部や神経の繋がっている下腹部・腰あたりの疼痛が4日から一週間程度続きます。
TESEは身体的負担を考え、何度も行う事が無いよう一度の検査で出来るだけたくさんの精子を採取し顕微授精に備えます。もし精子が見つからなかった場合などには再度TESEを行う事が出来ますが、一回目で見つからなかった場合は二回目以降も見つかる可能性も低く、また回数が増えるごとに術後の疼痛が増したり精巣の造精機能が悪化することから、二回目以降行う場合には、医師との相談が必要となります。

TESEの今後の課題

効果的な治療法ですが、まだまだ課題が残されています。

・専門に治療を行える医師や病院が少ない
・健康保険が適用外のため治療費が高額

【TESE】:1回あたり約10〜15万円
【MDーTESE】:1回あたり約15〜30万円
【精子・精巣組織凍結(半年〜1年)】:約2万円〜4万円

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